2022年10月1日より販売開始となった、「フレッシュキーパー」。「メンテナンス無しの1年耐久」という”手軽さ”と、「ECOダイヤ」の「雨が降れば、洗車をしたようにキレイになる」という”楽してキレイ”という2つ性格を併せ持つコーティングとして開発されたようです。
ただ、最近キーパーでは、ECOプラスダイヤモンドキーパーというものも発売され、新しいラインナップが増えていく中で、「フレッシュキーパー」というコーティングの位置づけがよくわからない!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
単なるマーケティングメッセージだけを見るのではなく、どんなコーティング剤を使っているかや、施工のしやすさなどを把握すると、キーパーとしてはどんな位置づけで考えているのか、わかってきたので、個人的な見解交え解説していきたいと思います。
結論今はまだフレッシュキーパーは辞めといたほうがよいと思います。
それでは見ていきましょう。
フレッシュキーパーとは
冒頭述べたように、フレッシュキーパーは”キレイ”と”楽する”が両立できるコーティングとして開発されました。
ECOプラスレジンというトップコートは、EXキーパーの開発の副産物として「雨が降ったら、ヨゴレが雨と一緒に流れてしまう」という特性を発見し、それを生かして開発されたトップコート(一番上に塗るコーティング剤)のようです。
皮膜が塗装の凹凸を埋め、別次元の光沢と綺麗さを生み出し、洗車の回数が減るので楽してキレイを維持できる、夢のようなコンセプトになっています(キーパー以外で雨でヨゴレが落ちると謳っている専門店を未だかつてみたことがありません。)
フレッシュキーパーが現状信じられない理由
素晴らしいコンセプトだとは思いますが、私はどうしてもフレッシュキーパーをPR要素そのままに受け取ることができません。その理由を述べていきたいと思います。
1.ECOプラスレジン(最後に塗るコーティング液剤)の性能評判が未だわからない
このコーティングの肝は、トップコートであるECOプラスレジン皮膜にあると思います。このおかげで、”綺麗さ”と”楽する”というコンセプトが両立するコーティングとして成立していると思うのですが、ECOプラスレジンは、2022年1月から発売されているECOプラスダイヤモンドキーパーでも使われています。しかし、
一ヶ月たちますが、雨が降った後の水染みがボンネットに残ります。残るのはまだいいのですが、念のため水染みはコーティングしてるため多少ほっといても大丈夫か店員さんに確認したところ1ヶ月に1回くらいは洗車しないと後が残る可能性があると言われました。洗車回数が少なく済むということで選びましたが、最初の説明と違うなと思いました。
みんカラ
といった意見もありますし、直後の評価は良いものの、実際に施工後の自浄作用についてレビューされている方がほとんどおらず実態がわからない状況です。そのため、ECOプラスレジンの効果が分からないため、フレッシュキーパーをおすすめするのにはまだ早いと思います。
2.価格がクリスタルキーパーより1万円高い、けど作業は楽になった?
各コーティングメニューの皮膜構造や、施工方法、耐久性、施工性を比較したのが下記になります。
クリスタル | フレッシュキーパー | ダイヤモンド | Wダイヤ | ECOプラスダイヤ | EXキーパー | |
---|---|---|---|---|---|---|
Mサイズ金額 | 21,800円 | 31,800円 | 60,400円 | 87,600円 | 87,600円 | 134,900円 |
耐久性 | 1年 | 1年以上 | 3年(メンテ有りで5年) | 3年(メンテ有で5年) | 3年(メンテ有で5年) | 3年(メンテ有で6年) |
施工時間 | 2時間 | 2時間 | 3〜8時間 | 4時間〜1日 | 3〜8時間 | 6時間〜1日 |
備考 | ECOプラスレジンはレジン2より施工簡単 | メンテは2022年からECOプラスレジンを使用 |
フレッシュキーパーとクリスタルキーパーの違いは、トップコートが通常のレジン皮膜か、ECOプラスレジン被膜かの違いと、値段、そして施工性にあります。
価格自体は、1万円クリスタルキーパーよりも高いにも関わらず、実際のところキーパー側の作業自体は、楽になっているのです。(普段よりキーパーコーティングを施工されている方のYoutubeでもコメント欄に下記のようなものがあります。)
Q:エコプラスレジンの拭き取りやすさは、他のレジンと比べていかがですか??
A:実はレジンよりエコプラスレジンの方が拭き取りが容易なんです
つまり、誤解を恐れず申し上げると、”楽して儲けやすい”構造になっています。
一方で効果(耐久性)はどうなんでしょう?単価が高い分、耐久性は「1年以上」とありますが、他のメニューの具体的数字とは違い、曖昧な回答になっています。。。
3.価格は高いのに、耐久性はクリスタルキーパーと同じ?耐久性をあげるとダイヤモンドキーパーの客が減っちゃうのを懸念している?
なんと、クリスタルキーパーより作業も楽に、そして単価も上がっているのに、耐久性はなぜか「1年以上」の表記なんです。。2年とかではありません。”以上”でも良くなっていると捉えられるかは、お客様の感覚によるものもあるでしょう。
すごく穿った見方をすると、自浄作用ということだけが最大のメリットであって、環境によっては「1年以上」になるものの、それ以外はKeePer側しかメリットのないような製品にもみえてしまうのです。
しかも余計に気になったのは、ECOプラスダイヤモンドキーパーとダイヤモンドキーパーの比較です。
クリスタルとフレッシュの違い | ダイヤモンドとECOダイヤの違い | |
---|---|---|
金額 | 1万フレッシュの方が高い | 1万〜2万円台ECOのほうが高い |
ベースコート | 同じ | 同じ |
トップコート | レジン2→ECOプラスになっている | レジン2→ECOプラスになっている |
耐久性 | 1年→1年”以上”になっている | 1年毎のメンテで5年→2年毎のメンテで5年 |
この2つのコーティングの違いは、フレッシュとクリスタルキーパーと同じなんですが1つだけ違うところがあるのです。それは、なんと耐久性です。ECOプラスダイヤモンドキーパーは、2年に1回のメンテで5年もつ、一方でダイヤモンドキーパーは、1年に1回のメンテで5年もつ、となっており、ECOプラスダイヤモンドキーパーが明確に優位になっているのです。そうすると、ある疑問が湧いてきます。なんでECOプラスダイヤモンドとダイヤモンドキーパーと構造同じなのに、フレッシュキーパーの耐久性は、クリスタルキーパーとほぼ同じなんだろうと。。
考えられる理由としては、2年などにしてフレッシュキーパーの耐久性を上げてしまうと、今までダイヤモンドキーパーをやっていたお客さんや潜在的にダイヤモンドキーパーを選びそうなお客様を、フレッシュキーパーにダウングレードさせてしまう懸念があったのではないでしょうか?会社としてはフレッシュキーパーは、クリスタルキーパーを選びそうなお客様を、1つ上の単価にアップグレードしてもらうためのメニューとして位置づけているように思えます。あわよくば、クリスタルキーパーを検討しているお客さんは全員、フレッシュキーパーへ。。あくまで個人的な見解ですが、、
クリスタルキーパーは、全施工台数の60%程度も占めており一番施工の多いメニューなので、クリスタルキーパーではなくフレッシュキーパーにアップグレードするだけで、会社へのインパクトは大きいのでしょう。
クリスタル | フレッシュ | ダイヤモンドキーパー系 | EX | |
台数 | 65315 | 1167 | 39755 | 9865 |
割合 | 56.26% | 1.01% | 34.24% | 8.50% |
このように、レビューも少ないかつ、メニューの位置づけも会社の思惑に怪しさを感じられるように思えるので、ECOプラスレジンが本当に良いのか判断できず、今はレビューを待ったほうが良いと思います。
今キーパーでおすすめのメニューは
今キーパーでおすすめのメニューは
今キーパーでおすすめのメニューは、価格帯と施工実績が豊富な、「クリスタルキーパー」になります。
- ダイヤモンドキーパーと同じ液剤を使用している
- 質の割に値段が安い
- 自分でも施工できる(丁寧にやれば、お店と同等レベルのダイヤモンドキーパーができお得!)
詳しくはこちらで詳しく解説しているので、よろしければ御覧ください。
まとめ
なぜフレッシュキーパーを信頼できないか、個人的な見解踏まえ、解説してきました。
長年コーティングのことを考えてきた身としては、「雨が洗車の代わりに」というメッセージ自体が驚いたとともに、未だに疑ってしまっているのが事実です。もしそれが本当ならこぞって他のお店も取り入れなければならないでしょう。
今後本当に世間の評価が良ければ、フレッシュキーパー推しに変わる可能性がありますが、現状はさきほど解説したとおり、メニュー間に矛盾があったり、そこに会社の思惑が見えてしまったりとマーケティングメッセージをそのまま鵜呑みにできる状況には思えないので、個人的にはもうしばらくは待ったほうがよいと思います。
コーティングは、皮膜自体目に見えず、普段馴染みのないサービスでありつつも、高価なものですので、心から信頼できるお店、メニューでやられることをおすすめします。
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