車にコーティングをしたけど、「メンテナンス」って何をやれば良いの?そもそもコーティングしたのにメンテナンスって何で必要なの?
名前だけが一人歩きしていて、定義は各社様々な「メンテナンス」。
コーティングをした方の中には、疑問に思っている方多くいるかと思います。
そこで本記事では、メンテナンスとは何か、正しい定義を説明し、誰でも簡単にメンテナンスをする方法や、そもそもなぜメンテナンスが必要かなど説明していきます。
適切なメンテナンスをすることで、コーティング効果は長持ちします。
ぜひご参考ください。
ガラスコーティングのメンテナンスとは?
車のコーティングのメンテナンスは3種類あります。
通常の洗車、ケミカルを使用したコーティング表面の汚れ落としと簡易コーティングによる保護、そしてトップコートの補充の3種類です。
なぜメンテナンスがそもそも必要になるのでしょうか?
いくら高性能なコーティングを施工したとしても、施工後何もせずに乗り続けてしまうと、雨ジミができたり、撥水性能が落ちてきてしまいます。これはコーティング皮膜の上に黄砂や花粉などが固着した汚れとして残ったり、紫外線や酸性雨によるダメージが原因になります。
そのため、定期的に汚れたら洗車を行うこと、そして、洗車ができずに固着してしまった汚れや、見えづらいが全体の美観に影響を及ぼす汚れを、特殊なケミカルを使用して取り除き、表面を綺麗にし、撥水性能を復活させる被膜の保護剤の塗布、もしくはトップコートの塗り直し作業が必須になります。
ちょっとここで、そもそもトップコート等のワードが出てきたので、コーティングはどんな構造になっているかを解説したいと思います。
コーティングってどんな構造になっている?トップコートって何?
最近の車のコーティングは、いくつかの構造のタイプがあります。自分でコーティングするタイプやお店で提供されるもの含めて解説したいと思います。大きく分類すると2つのタイプになります。
1.同じコーティング剤を重ね塗りしているだけのもの
こちらは主にDIYのコーティングで多いタイプです。簡易的なスプレー型のコーティングに多く、メンテナンスも塗り直しというケースが多いです(もはやメンテナンスというよりやり直しに近い。)。基本的には、説明書に沿って定期的に塗り直せばよいかと思います。
2.ベースコートとトップコートが別のタイプのもの
そして2つ目は、KeePerや専門店等で提供されるタイプが多いものです。ベースコートは硬化型で塗装を守る役目があり、トップコートはベースコートを守る役目を果たします。それぞれ役割が異なるため、コーティングの液剤自体が別になります。コーティングの種類によっては、ベースもトップも両方役割を果たすものもありますが、現状は別々のコーティングが多いかと思います。
メンテナンスは、トップコートに固着した汚れを取り除き、トップコートを保護する液剤を塗布する、もしくはトップコート自体を補充するのいづれかになります。どちらになるかは、トップコートの痛みの状況次第になります。ベースコーティングを塗り直すことはメンテナンスとは言えず、やり直しでしょう。
ガラスコーティングのメンテナンス方法について
さきほど説明メンテナンスの3種類について、それぞれ解説していきます。
1.洗車によるメンテナンス
メンテナンスで一番大切といって過言でないものは、「洗車」になります。コーティングは塗装を守り、汚れを付きにくくはしますが、汚れがつかないというわけではありません。
ですので、溶剤の強さというより、水や中性のシャンプーで物理的に汚れを落とす作業=洗車が必須になります。
利用頻度、保管環境、天候、色などによってもおすすめする洗車頻度は変わりますが、少なくとも2週間に1回はしたいところです。
あとは、付いた汚れはなるべく早く落としてあげることが、コーティング表面の維持にとって良いので、汚れたらなるべく早く洗う、を心がけると良いでしょう。
(時折全く洗車ができておらず、シミだらけで溶剤でも落ちず、研磨からやり直し!ということもありますが、その場合はメンテナンスとはいえないかもしれません)
2.ケミカルを使用したコーティング表面の汚れ落とし&トップコートの保護剤の塗布
本来お店に依頼するメンテナンスの理想は、トップコート保護剤塗布もしくはトップコートの補充だけ、だと思います。
ただどうしても忙しくて洗車が定期的にできず、中性シャンプーや水洗いだけではとれない汚れが固着してしまうことが、残念ながら多いかと思います。
そのため、このような固着した汚れを取り除くために、ケミカルを使用したコーティング表面の汚れを落とす作業が保護剤塗布の前に必要になります。
自分でメンテナンスする場合
オーナー自身でコーティングのメンテナンスをする場合、必要な道具はこちらです。
- 洗車道具(ホース/バケツ/中性シャンプー/スポンジ/マイクロファイバークロスなど)
- 酸性ケミカル
- メンテナンス剤 or コーティング剤
まずは、通常洗車をしていきます。
流れとしては、通常の洗車工程と同じです。中性シャンプーで基本的取れなくなって固着してしまった水シミ汚れは、酸性ケミカルで除去する必要があります。酸性ケミカルが不安な方は、微細粒子の研磨剤が入ったクリーナーで除去するのも良いでしょう。
コーティング剤によっては、皮膜も剥がれてしまう可能性もありますが、その場合は再塗布でカバーするしかありません。
専門店でメンテナンスする場合
コーティング専門店に依頼すると、コーティング表面の状態を確認しながら、特殊な薬剤を用いて固着した汚れを除去します。
コーティング表面の汚れの状態を確認するのに、様々な照明設備が必須となります。
DIYと比べ、作業時間がかからないメリットはもちろん、塗装に合わせて使用する特殊なケミカルの選択や、固着した汚れを丁寧に見極める点、そして安心感が大きく異なるかと思います。
専門店のメンテナンスメニューは3種類あります。
- コーティングメニューにメンテナンス付きのもの
- コーティングとは別でメンテナンス単独メニューがあるもの
- 年間で契約するサブスクリプションタイプのもの
タイプ | コーティングメニューにメンテナンス付きのもの | コーティングとは別でメンテナンス単独メニューがあるもの | 年間で契約するサブスクリプションタイプのもの |
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特徴 | コーティングの代金にメンテナンスが含まれているタイプです。 メンテナンスの回数は業者によって様々です。1回のみのところもあれば、メンテナンスは何回でもOKと謳っているところもあります(内容と料金は確認した方が良いと思います。) | こちらがベーシックですが、コーティング代金とは別にメンテナンス料金がかかるタイプです。 メンテは自分でやるという方には、コーティングだけの料金になるのでお得感はあるかと思います。 | 最近増えているサブスクリプション。コーティング業界でじわじわと増えてきています。 内容としては、年間契約で月ごとのお支払いをし、コーティング、洗車、ケミカル除去、室内掃除などのメニューが定期的に受けられるものです。月の料金によって、メニュー提供頻度が変わっているようです。 まだ普及はしていないですが、車をずっと手間なく綺麗にしたいお忙しい方には価値あるメニューかもしれません。 |
3.トップコートの補充によるメンテナンス
撥水が落ちてくると、トップコートを補充するメンテナンスが必要な場合があります。
基本的な工程は2と似ていますが、トップコートの性能が落ちている場合は、保護剤を塗布するだけでなく、トップコートの補充が必要になります。保護剤の塗布は、3〜6ヶ月に1回、トップコートの補充は、1年に1回くらいのペースになるかと思います。
DIYで出来るトップコートの補充もあるので、施工したお店の方と相談するとよいでしょう。
お店が勧めてくるこんなガラスコーティングのメンテナンスは要注意
先程説明したとおり、お店によってメンテナンスの体制も様々ですが、下記のようなメンテナンスを推奨してくるケースには注意されてお店の方と相談されたほうが良いと思います。
1.耐用年数前に研磨を推奨してくるケース or 被膜の交換(再施工)を推奨してくるケース
研磨は最終手段で、コーティング皮膜だけでなく、塗装も削ってしまう行為です。コーティング皮膜だけを削る研磨は残念ながらありません。安易に研磨することは、車の寿命にも影響してしまいます。
しっかりとした適切な方法で洗車をして管理していたにも関わらず、もともとお店側が案内していた耐用年数よりも圧倒的に早いタイミングで研磨が必要になったり、再施工になった場合は要注意です。確かに不適切な管理をされていた場合は、ケミカルだけでなく研磨が必要になるかと思いますが、本来出来る限り様々なケミカルを試すべきです。ですので、お店としっかりと、相談してすすめるようにしましょう。
2.不用意にトップコートの層数を増やすケース
あくまで劣化したトップコートを補充するという意味合いならわかりますが、コーティング施工ではなくメンテナンスのタイミングでトップコートの層数を増やすのは、どういう理屈でおすすめになるのか確認されたほうがよいでしょう。
確かに3層程度であるなら経験上効果はありますが、問題はなぜメンテナンスのタイミングで皮膜層数を増やす提案があるのかは、私自身も経験がなくわからないので確認をおすすめします。
3.研磨した後に塗るコーティング剤がスプレー型のコーティングで、研磨はパネル1面やらないケース
メンテナンスで傷を消す研磨ができるお店もありますが、パネル全面でなく、傷の部位だけを研磨して、スプレー型コーティングのみをする場合、注意が必要です。
専門店でやるようなコーティングの場合、傷の部位だけ研磨してしまうと、研磨した部分とコーティングされている同一パネル面の隣接エリアで、コーティングしているところとしていない所では色の濃さや光沢・艶に差異がでる可能性があるためです。
ですので、基本的には、コーティングされている面の傷を除去する場合、傷の部位のみならず、1パネル全体を磨きあげる必要があります。
また、磨いた場合は、ベースコーティングも剥離されているはずなので、スプレー型のコーティングではなく、通常ガラス瓶に入った施工した当初と同じコーティング剤を塗っていく作業が必要になりますので、部位にもよりますが工程としては大掛かりな作業になります。
このように、コーティングのメンテナンスといっても、メニュー、提案内容によっては、安易に受けず注意が必要になりますので、しっかり施工前からどういうメンテナンスをしてキレイを維持していくべきかお店の方と事前に確認されておくことをおすすめします。
ガラスコーティングのメンテナンスが必要な時はどんな時か?
洗車以外のメンテナンスが必要な時はどんな時でしょうか。
専門店でコーティングを施行されてメンテも依頼する場合は、メンテのペース・時期は担当者の方に相談するのが良いと思います。
一方でDIYでメンテナンスをする場合はどんな時かというと、
- 撥水効果が落ちている
- 定期的に洗車しているけど、シミが付着している
- 洗車で汚れがいつもより落ちにくくなってきている
2つ目のシミが付着に関しては、駐車環境、利用頻度にもよりますが、黄砂や花粉が発生するタイミングになることが多いです。
上記事象が見受けられた場合には、メンテナンスをすれば良いと思います。
中には、1ヶ月に1回はコーティングを塗り直してメンテナンスしましょう、というメーカーもありますが、洗車を定期的(少なくとも2週間に1回)に行っていれば、ちゃんとした性能のコーティングの場合、そんな頻度でメンテナンスは本来必要ありません。
あたかも塗り直しで、耐用年数を増やすようにも見受けられるので、DIYでやる場合は、適切で丁寧なメンテナンス方法を提案しているところのほうが、安心で信頼できるかと思います。
まとめ
以上、コーティング施行後のメンテナンスについて説明してきました。
メンテナンスは定義が曖昧なため、お客さんのことを考えず、液剤メーカー及び業者の利益のみ考えたメンテナンスも残念ながら存在します。
メンテナンスの目的を知ることで、正しいメンテナンスを実施し、コーティング効果を長持ちすることができます。
適切なメンテナンスでコーティング効果を最大限享受しましょう。