ガラスコーティングのデメリットは雨染み?予防できる?

ガラスコーティングのデメリットは雨染み?予防できる?

・ディーラーやガソリンスタンドでガラスコーティング勧められたけど、メリットデメリットを知りたい。

・ガラスコーティングをすると、雨染みになりやすいというデメリットがあるらしいけど本当?

ディーラーやガソリンスタンドなどでは、「汚れにくくなります!」「傷が付きにくくなります!」「みんな付けてるオプションです」などガラスコーティングはあたかもメリットしかないような魅力的なPRしか言わないので、逆に不安になりますよね。コストも高いですし。

でも実際は、車のガラスコーティングには、車の塗装を守る上でのメリットもあれば、デメリットももちろんあります。

そこで本記事では、車のガラスコーティングにまつわるメリット、デメリットを全て紹介し、デメリットに対する対処方法も解説していきたいと思います。

目次

ガラスコーティングのデメリット・メリット

さっそく、ガラスコーティングのデメリット、メリットをそれぞれみていきましょう。

ガラスコーティングのデメリット

1.水シミができやすいものがある

シミ汚れ

ガラスコーティングしたのに、シミできちゃうの?と思われる方もいるでしょう。

誤解してほしくないのですが、全てのガラスコーティングが、ガラスコーティングしたせいでシミができやすくなる、というわけではありません。いくつかのタイプは、シミができやすいというのが正しいでしょう。

どういうことか。

シミの1つの原因は、無機質であるマグネシウムやナトリウムなどのミネラル成分にあります。そして物質の特性上、同じ特徴を持つ者同士はくっつきやすいという特徴があります。(有機質は有機質、無機質は無機質にくっつきやすい)

昔のガラスコーティングをみてみると無機質のコーティングのため、無機質のマグネシウムやナトリウムなどのミネラル成分によるイオンデポジットができやすいというデメリットがありました。

しかし、最近では、コーティングの表層であるトップコートは有機質皮膜だったり、そもそもコーティング自体が有機質と無機質ハイブリッド型でシミができにくいタイプも出てきています。つまりは、無機質だけで構成されるコーティングはシミができやすい、ということになります。

また、コーティングの性能、水弾きのタイプによっても、シミができやすいものがあります。洗車するたびにすぐ撥水が落ちたり、酸性・アルカリ性のケミカルを使うと撥水が弱くなってしまうような、性能の低いコーティング液剤はシミができやすいです。洗車、ケミカルにびくともしないような撥水性能を維持できるコーティング液剤は、反対にシミができにくいです

総括すると、ガラスコーティング全てがシミができやすいというわけではなく、シミのできやすいタイプもあるので、注意が必要ということになります。

2.メンテナンスが必要である

ガラスコーティングをしたから、汚れにくいし、シミもできない、ということには残念ながらなりません。ガラスコーティング膜を維持するためには、適切なメンテナンスが必要になります。天候、利用頻度、保管環境によっても異なりますが、2週間に1度の洗車、そしてコーティング皮膜の補充(液剤によっても違う)が必要になってきます。

3.施工に日数がかかる

ガラスコーティングを業者で施工する場合、3日〜1週間、自分でコーティングする場合は、研磨なしでもだいたい丸一日かかります。

お店毎によってもことなりますが、適切なケミカルを使用し、細部まで徹底的にクリーニングする洗車、車の傷をなくし、光沢と艶を上げる研磨と、コーティングと塗装の密着を上げるための下地処理、車の部位ごとに最適な液剤を使用したコーティング、コーティングの効果を安定させる乾燥、全てがコーティングの効果を高めるための工程になるため、信念をもち拘りのあるお店ほど、作業日数はかかるかと思います。

4.業者がありすぎてどこを選べばよいかわかりにくい

コーティングは、ディーラーやガソリンスタンドだけでなく、カー用品店、キーパーラボ/キーパープロショップ、単独のコーティング専門店など、様々な場所でできそれぞれの特徴も分かりづらいため、どこでコーティング作業をお願いすべきか選びにくい。

検討コストがかかるというのも、ガラスコーティングのデメリットの1つと言えるでしょう。

5.自分でコーティングする場合、種類、製品数が多すぎてわかりにくい

DIYでコーティングする場合は、市販のコーティング液剤が毎月増え、ガラスコーティングだけでなく、セラミックコーティングや、グラフェンコーティングなど、色んな種類があるので、「結局どれがよいの?」がわかりにくく、これも検討コスト、色んな製品を試すための金銭的なコストがかかるというのがデメリットと言えるかと思います。

6.耐用年数どおりにいかないことも

コーティングは耐用年数がお店から説明されたり、市販品も製品に記載されていたりします。

しかし、ほとんどのケースは耐用年数どおりにはいかないことが多く、過度なPR内容がお客さんの期待を裏切ることにつながってしまうこともあります。なぜこのようなことが起こるのでしょう。

それは、耐用年数の試験をそもそもしていないお店/市販品があったり、試験はしていても、あくまで試験環境下における耐用年数なので実際の環境下とは異なるためです。

(よくある試験は、テストパネルにコーティングを塗り、シャンプーをつけたスポンジで何回も擦ってみるというテストです。まず1年に洗車する回数を適当に定めます。そして撥水が落ちるまでの回数を器械を使ってカウントします。その撥水が落ちるまでの回数を、1年に洗車する回数で割ったものが耐用年数になるという試験になります。例:1年の洗車回数が12回、撥水が落ちたのが12回だったら、そのコーティングの耐用年数は1年。)

耐用年数をテストするための器械 引用

ガラスコーティングのメリット

次にガラスコーティングのメリットを見ていきます。

1.艶や光沢が向上する

ガラスコーティングにより、小傷を埋め、光の屈折が変わることで艶や光沢が塗るだけで向上します。

塗る前に塗装の下地を整え、傷を研磨で落とすことで、さらに艶や、光沢をあげることが可能です。

2.洗車が楽でキレイを維持しやすい

コーティングにより1.汚れが落ちやすい 2液除去性が高く水滴が落ちやすく、拭き取りがしやすくなる、という2つのメリットがあるため、キレイが維持しやすくなります。

塗装の表面は、小傷や様々な塗膜の欠陥により、新車の状態でも平滑ではないケースが多いです。

塗装表面に出来たピンホール 引用

そのため、汚れが溜まりやすい状態になっています。コーティングをすることで、平滑になりやすくなるため、汚れが表面に留まりにくくなるため、水洗いなどで簡単に汚れを落としやすい状態を作り出せます。

また、コーティングの撥水性能により、洗車時に水滴は落ちやすく、拭き取りの際もコーティングしていない時に比べて容易に拭き取りができるようになるので、きれいな状態を効率的に管理ができるようになります。

3.傷や紫外線による色あせから守る

コーティング被膜といっても薄膜なので、飛び石などのハードな傷からは守ることはできません。

洗車時につく傷などの小傷からはコーティング膜の硬さと滑りやすさ、強靭性などの複合的な要素により、守ることが可能です。

紫外線による白化したヘッドライト
紫外線で白化したヘッドライト

また、車の塗装に対する一番のダメージといっても過言ではない、紫外線。

紫外線は塗装の色あせや、未塗装樹脂の白化、ヘッドライトなどの黄ばみに一番繋がる要因です。紫外線から守るためにも、コーティングは有効です。新車時から紫外線を軽減できるコーティングを塗布しておくことで、愛車を長年きれいな状態に保ちやすくなります。

4.売却時の査定額が上がりやすい.

これはこれまでのメリットを踏まえれば、言わずもがなのメリットですが、新車時から適切なコーティングをしておくことで車をいい状態に保てるので、売却時の査定額は高くなります。

車を資産と考え、コーティングをする方もいます。また、売却前に、コーティング専門店で、磨き、コーティングを施工することで、査定額が上がり、コーティング代金をペイできるどころか、利益が出たという方もいます。

https://twitter.com/Taketiyo0/status/1494927648145158152?s=20&t=-YIOjqPvHc-Wv6vvcooFhA

ガラスコーティングのデメリットに対する対処方法

ではガラスコーティングのデメリットは解消することはできるのでしょうか?

メンテナンスが必要なことや、施工日数がかかることは現状必要なことなので、どうしようもありませんが、それ以外のデメリットは下記を気をつけることで、対処できるかと思います。

撥水が強いもの、ケミカル耐性がよいコーティング剤を選ぶ

雨染みは、乾く前に塗装の上に水滴が残っていなければシミになることは、物理的にはないです。

ただし、それは理想の話です。

なので、撥水よりも親水の方が、塗装上に水残りが少なくシミになりにくいという理屈かと思いますが、実際は違います。その理由はこの次の章でわかりやすく説明していきます。

結論としては、撥水性能が高く維持できる液剤の方が、水滴残りが少なく、シミになりにくいです。また、仮にシミができたとしても、コーティングは残ったまま、ケミカルで落とすことができるとよいでしょう。コーティング剤によっては、ケミカルで落ちてしまうものもあります。シミが付きづらく、仮にシミが出来たとしてもケミカルに負けない被膜を形成できる液剤が、「シミ」というデメリットを克服できるかと思います。

専門店で検討されている方は、シミのできにくさについて聞いてみたり、シミが出来た場合にどう対処すれば問題ないか事前に確認されてみてもよいでしょう(どの酸性ケミカルであればシミが取れて、コーティング被膜も問題がないのか)

各業者ごとのメリットデメリットを詳しく把握し、自分にあったところを選ぶ

コーティングを業者にお願いする場合には、いくつかの選択肢があり、業者ごとの特徴を理解した上で、自分にあったところを選ぶのが大切です。

スクロールできます

ディーラー

KeePer

コーティング専門店

カー用品店
価格約30,000円〜300,000円約20,000〜250,000円約30,000〜500,000円約10,000〜250,000
利便性納車時にコーティング済み
車検時点検
全国展開
洗車もできる
お店に持っていく手間
予約しにくい
施工に日数がかかる
カー用品購入時やオイル交換時にできる
コーティングの性能営業がコーティング作業することもスタッフの質にバラツキ
作業環境、器材は簡素簡易化
経験豊富なスタッフ
作業環境、照明などに拘り
器材は塗装に合わせて豊富に準備
スタッフの質
作業環境、器材は簡素簡易化
ディーラーコーティングの詳細説明はこちらKeePerコーティングの詳細説明はこちらおすすめコーティング専門店のランキングはこちらオートバックスのコーティングの詳細説明はこちら
各お店毎の比較

フォロー面やアクセスの良さといった利便性なのか、信頼できるスタッフがいるコーティングの質を求めるのか、価格最重視なのか、コーティングに求める価値の優先順位付けは人それぞれかと思います。

よく確認されることをおすすめします。

種類で判断せず、YouTube、ランキング系記事は広告かどうかに注意する

自分でコーティングされる場合は、液剤選びで迷うことが多いと思います。

その際注意いただきたいことは、安易にコーティングの種類でランク付けしないこと。つまりは、ガラスコーティング < セラミックコーティング <グラフェンコーティングといった具合に判断されないことです。

海外ではセラミックコーティング=ガラスコーティングですし、グラフェンコーティングは無意味!といった声が現状、市場の主流です。あえてグラフェンを出さない大手海外メーカーもあります(Gyeonなど)。なので、安易な種類によるランク付けには気をつけてください。

また、最近特に多いのは、YouTubeやランキング系記事の広告です。メーカーが広告代金を芸能人やYouTuberに支払ってYouTube動画にしているものも多くあります。いくら本気のレビューと言ってもネガティブなことは言えないです。また、ランキング系の記事も、その記事をクリックして購入されたら、購入されたメーカーが記事製作者にいくらかお金を支払う、アフィリエイト広告である可能性もあります。

そのため、レビュー記事が広告ではないかを確認し、広告ではないレビュー(Twitterやみんカラ、家族友人)を積極的に取りに行くほうが、100%安心ですし正確だと思います。(広告であるかの判断は、URLを見ればわかるのですが、「ランキング」の場合どういう基準でランク付けしたり、「おすすめ◯◯選」は誰がどのように選んだかを、確認されてみることをまずおすすめします。)

耐用年数はあくまで参考程度に。メンテナンスしやすいものが良い

耐用年数は先程申し上げたとおり、実際の環境(駐車環境、天候、走行距離など)でテストしたわけではないので、信憑性に欠くものが多いです。

そのため、耐用年数はあくまで参考にして、より重要なのは、メンテナンス性かと思います。撥水が落ちてきたら、どうするのか、シミができたらどんな溶剤を使用してもコーティングは問題ないのか、使用を控えたほうがよい溶剤はあるのかなど、施工後に、キレイを効率よく維持すべく正しいメンテナンス方法があるか、がより重要かと思います。これは、お店の場合だけでなく、DIYの場合も同様です。市販品でもメンテナンス情報を正しく明記、説明しているメーカーほどより信憑性があるといえるでしょう。

親水コーティングは雨染みを防げない

最後に言われている「親水だと撥水より雨染みはつきにくい」について、私は反対派なので、その理由を詳しく解説していきたいと思います。

雨水とシャワーであてる水の量は違う

よく動画で、ボンネットにシャワーを流水モードにして水をあてて、水が親水のため、ボンネットから膜を覆うようにキレイに引いていく動画を観たことはないでしょうか?

しかし、現実世界であんな形で水がボンネットにかかることはありますでしょうか?無いと思います。小雨なら微量のため、ボンネットに水がのっても、親水は結局撥水のように少しづつ落ちていくのが関の山です。水引きしていくことはありえません。

シミの量は撥水も親水も大きく変わらない、ただ汚れの付き方は親水の方が悪い、が私がこれまで親水と撥水コーティングを検証してきた実感値です。

親水状態は長く維持できない

仮に大雨で、水が多少引くようになったとしても、親水状態は日常的な油汚れや泥や砂汚れなどで、結局撥水になってしまいます。

そうすると、水が塗装面に残り、シミになってしまうので、親水によるメリットはないかと思います。

親水はコーティングの効きがわかりにくくメンテナンスしにくい

親水コーティングをされたことがある方はわかるかと思うのですが、洗車したときに、コーティングが効いているのか効いてないのか水の弾き具合で判断できないので、メンテナンスのタイミングが分かりにくいというデメリットがあります。撥水なら、撥水が弱くなったきたことで、トップコートの再塗布や、溶剤によるクリーニングタイミングなどわかるのですが、親水はこれといった指標がないので、特に一般の人からするとメンテナンスがしにくい製品になるかと思います。

以上、なぜ親水が撥水よりもシミが少なくなると思えないのか、解説してきました。

親水が途中で中途半端な撥水状態に変わるのであれば、最初からバチバチ弾く撥水の方が、塗装面の水残りも少なく、かつメンテナンスもしやすいので、撥水のほうがよいかと思います。海外では親水のコーティングは人気ないですし、感性に訴えるような水弾きによるコーティング効果の実感も、評価が高いポイントになると思います。

まとめ

以上、ガラスコーティングのデメリット、メリットを解説するとともに、どのようにデメリットを予防、解消できるか解説してきました。

現状、全くメンテナンスのいらない、シミにならない、耐久期間通りにいくようなスーパーコーティングは残念ながらありません。だからこそ、分かりやすく持ちをよくするような効率的なメンテナンス、シミになった場合の皮膜を傷めず、シミだけをとる対処方法などを丁寧に、正確に伝えることが、市販品、お店にとっては大切になるかと思っています。

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