・新車で黒い車を買ったから、このままきれいな状態を維持したい。どんなコーティングが良いんだろう。
・黒い車だからこそ味わえる鏡のような深い輝きと艶を味わいたい。どうすれば。
黒いボディカラーの車は、きれいな状態だと艶や光沢が他のカラーでは味わえないほど官能的な美しさを味わえる一方で、汚れやすかったり維持管理が大変なイメージがありますよね。
そこで黒い車の美しさを維持すべく、様々な意見があります。
「黒い車にはシミがつきにくい親水コーティングがよい!」「傷をつきにくくするために硬いコーティングがよい!」など。
実のところ、残念ながらどれもポジショントークが多いです。
本記事では、黒いボディカラーの特徴を踏まえ、どのようなコーティングを施し、美しさ・艶をさらに引き出し維持管理していくべきか、正確な情報をお伝えしていきたいと思います。
ぜひご参考ください。
黒いボディカラーのメリットデメリット
では、まず黒いボディカラーの特徴をみていきましょう。
黒い車は光沢・艶がすごい
黒い車ってなぜか他の色に比べ艶感がすごいと思いませんか?
実は光の色と、光の反射に関係しています。
光の色は、太陽光が反射すると、白っぽいですよね。白は黒の捕色で、反対の色になるので、より色合いが際立つ組み合わせになります。なので、光沢や艶感が他の色に比べ、目立つ感じになるのです。
また、下の図を御覧ください。
光源から照明された角度と逆方向の同じ角度にはね返った光を正反射光と言います。傷や汚れなどがあり、光が拡散すると、跳ね返る光の強さは弱くなり拡散し、正反射光は弱くなります。その分、艶や光沢が衰えてしまいます。
ですので、黒はそもそも光が目立つ色なので、傷や汚れをなくしてあげると、その分、光沢や艶が際立つような仕組みになっています。
黒い車はリセールバリューが期待できる
黒いボディカラーは、リセールバリューが期待できるところもメリットの一つと言えるでしょう。やはり白や黒、シルバーなど、年齢、性別問わず需要の高い色は査定額への期待度も高いと言えると思います。
黒い車は傷が目立つ
これは、光沢・艶の良さを説明させていただきましたが、裏をかえすと、光沢のある部分に傷がはいると、光の反射加減が違うので、その違いで傷に気づきやすい色になってしまいます。
メリットは一方でデメリットにもなりうるんですね。
黒い車は汚れが目立つ
ここも同じことですが、シミも輪染みなど想像いただければわかりますが、白っぽい色合いをしていると思います。
なので黒と白は捕色=反対色の関係になっているので、汚れが際立ちやすくなってしまいます。また黒は、熱を吸収しやすい色であるため、水滴などが乾きやすい分、汚れが固着し目立ちやすいということもあります。
黒い車にはどんなコーティング剤だと艶がでてキレイを保てるのか
では、いつまでも鏡のような輝きで、塗れたような深い艶を保つためには、どんなコーティングが理想的なのでしょうか?
黒い車に、親水コーティングは間違いです!
これはよく様々な方が仰っていることですが、実は親水コーティングは黒い車に良いわけではないと思います。
理屈としては、親水なので水がボディからゆっくりと波が引いていくように落ちていくから、シミにならず汚れにくいということなんですが、確かに理屈は正しいと思います。撥水だと点のようなシミになるイメージもありますし。
しかし、以下の理由で私は、親水ではなく撥水疎水のほうが良いと思います。
- そもそも親水状態を維持するのは難しい。1ヶ月もすれば弱撥水っぽくなってしまい、結局シミになる。
- 親水状態になっているかどうかは判断が難しく、コーティングが効いているかわかりにくい(=お店がわからすと、クレーム案件になりにくい!?)。撥水のほうが、メンテナンスのタイミングが分かりやすく管理しやすい
- 海外メーカーでメジャーな製品は、撥水か疎水のみ。親水はほぼ聞かないし流行ってない。
以上の理由を踏まえて、私は黒い車に親水をすすめることはありません。
親水コーティングに意味がないと思う理由はこちらで詳しく解説してますのでご覧ください。
硬さではなく、手触りが滑りやすいコーティング
これは、傷が目立つから極力傷をつけないようにするためにどんなコーティングがよいか、という観点です。
よく、「○Hのコーティングで硬いから傷がつきにくいです!」など聞いたことがあるかもしれません。
しかし、これもポジショントークである可能性が高いです。なぜなら、塗装本来は2〜4Hの硬さで、厚みはサランラップの厚みの半分もありません。いくら硬くても塗装が柔らかければ、薄膜のコーティングは割れやすく、効力を失います。マニキュアを柔らかいものの上に塗ってもすぐ割れてしまうことと同じです。
なので、傷を完全に防ぐことはできませんが、ものとの摩擦を減らす意味で、滑りやすいコーティングの方が、傷を減らす観点では理にかなっていると思います。
なお、セラミックコーティングについてはこちらで詳しく解説しているのでよろしければ御覧ください。
傷が埋め、艶が増すコーティング
一番良いのは、黒い塗装の傷を研磨で取り除き、平滑な状態にしたうえでコーティングすることがベストです。
ただしDIYでやるにはそう簡単に研磨はできないと思います(キーパーでも簡易的な研磨しかメニューにないため、正確かつ丁寧な研磨は専門店のみになるかと思います)
そのため、極力傷をコーティングで埋め(もしくはコーティングにより光の屈折が変化し光沢が増しているように見せる)、かつ艶が増すようなコーティングを施すことで、美観向上を目指すことがDIYでは一番良いでしょう。特に黒い塗装は、艶のでるコーティングですと効果ははっきりと目に見えてわかるので、おすすめです。
DIYでコーティングをされたことのある方426名に、最強のコーティングはなにか?を聞きました。よろしければ御覧ください。
コーティング後の黒い車のメンテナンス方法
コーティングをしたら、もう大丈夫!では、キレイを維持管理することは残念ながらできません。コーティングすれば、キレイを保ちやすくなりますが、それだけではまだ半分です。
定期的なメンテナンスが必要になりますので、メンテナンスで注意すべきポイントについて解説していきます。
洗車は少なくとも2週間に1回
洗車は大切な工程です。コーティングしたことで汚れが落ちやすい状態になっているので、洗車にかける時間は大幅に軽減できます。ただし、コーティングしても汚れはどうしても堆積するものなので、定期的な洗車が必要です。
どれくらいの頻度で洗車すればよいの?という質問に対しては、保管環境、天候、使用頻度などに応じて異なってくるのですが、少なくとも2週間に1回は洗車するのがよいでしょう。汚れは固着してしまうと取りにくくなるので、定期的に心がけていただくことが大切です。
プレフォーム洗車を可能であれば行う
汚れている状態で、いきなりシャンプー洗車は危険です。なぜなら、ボディの上に砂埃がある状態で、ウォッシュミットやスポンジで擦ってしまうと、傷ができてしまうからです。ですので、可能であれば、手洗いを開始する前に、洗車の泡だけをフォームガンなどでふきかえて、取れる汚れを物理的に流した上で、手洗い洗車をしたほうが、傷が付く可能性は軽減されるでしょう。
スポンジには直線的に、可能なら最初は一方方向
円を描くことはないと思いますが、不規則な動きをしてしまうと、先程と同じ理屈で車に堆積していた汚れをひきずり傷がつくリスクがあります。ですので、可能であれば一方方向に、直線的にスポンジを動かしていきましょう。
※100%傷がつかないということはありませんが、一つ一つの工程に拘り、傷が入るリスクを極力減らす心がけをしていただくことが大切でしょう。
洗車後の拭き上げは丁寧に
シャンプーを流し終わった後は、丁寧に拭き上げましょう。拭き上げるのも本当は柔らかい素材の下記のような大きめのタオルが扱いやすいです。コーティングをしているので水捌けもよいため、余計にチカラを入れずともタオルを通すだけで水は吸収できると思います。
また、グリルやサイドミラー、リアドア部分などタオルが当たりにくい部分からは、拭き上げがおわったと思っても水がたれてくることがあります。
そのまま乾燥してしまうと線のようなシミになってしまうので注意が必要です。もしあればブロアーなどで手が入りにくい部分は水をとばすのがベストですが、ない場合はドアを開けておいたり、後で水が垂れてきそうなところに、下記のようにペーパータオルを隙間に挟んでおいて水を吸収できるような状態にしたりすることで対処できると思います。
まとめ
黒い車をキレイに保つために、どんなコーティングをすべきで、そしてメンテナンス時に注意すべきことはどんなことかを解説してきました。
一般的に言われていることとは、異なることもあったと思います。
コーティングは目に見えないわかりにくいサービスです。ぜひ色んな情報にあたり、自分自身納得できる形でコーティングできれば良いですね。
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