・グラフェンコーティングとかって最近聞くけど、評判良いの?デメリットは何かあるのか。
・なんか車のコーティングって最近種類多いけど、結局どれがよいの?よくわからない!
車のコーティングは、ワックスに始まり、ポリマーコーティング、ガラスコーティングと名称を変え進化の歴を辿ってきました。最近ではセラミックコーティングやら、グラフェンコーティング、そしてカーボンナノチューブと、言いたい放題になってきてしまっています。
そしてまことしやかに言われていることが実は違ったりと、業界の方もわからないので、お客様はもっと混乱しているでしょう。
そこで、本記事では、実際にコーティングを製作している方や海外の文献も参考にしつつ、最近注目されているグラフェンコーティングの真相を解明していきたいと思います。
車のコーティングの種類に関するでたらめ
まず初めに世間一般で言われている車のコーティングの種類に関する嘘のようで本当の話をしていきたいと思います。
早速グラフェンコーティングの真相を知りたい方はこちらをクリックすると該当部位に遷移します。
ポリマーコーティングとガラスコーティングは同じ?
ガラスコーティングに使われる成分としてポリシラザンやシランやシリコーンレジンなどありますが、名称の概念からいうと、実はどれも「ポリマー」になります。
ガラス状の硬化型の被膜を形成することや、ポリマーコーティングよりもガラスコーティングを優位な立場に置きたいという業界のマーケティングもあり、ポリマーコーティングとガラスコーティングを種類上では明確に区分したそうです。硬化しないガラス系コーティングは、所謂ポリマーコーティングと何も変わらなくなりますね。
参考:https://coating.th-angel.com/2014/02/blog-post_13.html
海外だとガラスコーティングという名称はない?
海外では、ガラスコーティングという区分がない国も存在します。アメリカなどは所謂シーラント系、グラフェンコーティング、そしてセラミックコーティングのみになりガラスコーティングは存在しません。というのもガラスコーティングもセラミックコーティングもSiO2(二酸化ケイ素)を主成分とした基本構造は同じだからです。
若干の組成の仕方に違いがあったり、炭化ケイ素や二酸化チタンといった化合分が加えられたりすることで、耐久性や撥水性具合の強度に違いが生まれる場合もあるということで、ガラスではなくセラミックコーティングという種類をわけた位置づけを取っているのが日本になります。(裏をかえすと、セラミックコーティングと謳っているものよりも、実はガラスコーティングのほうが良かったりするものもあります。。)
グラフェンコーティングは進化ではない?
海外のYoutubeでは、よくグラフェンコーティングはsnake oil(=当てにならない)なのか?という話題で動画があがっています。つまり、グラフェンコーティングは無意味でセラミックでよいじゃないかと。
もともとグラフェンコーティングは、蜂の巣状のになっている世界最硬物質である”グラフェン”という炭素シートを含んでいる、セラミックコーティングのことを指すようです。
しかし、実用化が難しいようで、耐久性など機能上の効果向上にはまだ遠く、黒い色の顔料を入れただけで、グラフェンコーティング!と謳ってセラミックコーティングの進化版としてPR効果を作ろうとしているメーカーもあるようです。
グラフェンコーティングのデメリット・評判・おすすめは?重ね塗りはよい??
では、ここでグラフェンコーティングについて詳しくみていきたいと思います。
1.グラフェンコーティングのデメリット
グラフェンコーティングのデメリットとしては、下記があるかと思います。
- まだ機能面においてグラフェンを添加することで必ず差異が生じるような、実用化レベルには至っていない。
- 機能面関係なくマーケティング的にセラミック < グラフェンコーティングと使うようなメーカーが多い
- グラフェンが入っていないのに入っているように言うメーカーもある
以上のように、グラフェンコーティングは素材の素晴らしさはありつつも、まだ全ての製品がグラフェンを添加することで機能面においてセラミックより良い!といえるような実用化レベルには至っておらず、発展途上の段階である、というのが正しい状況かと思います。
一方で、グラフェンはガラスコーティングやセラミックより良い!と安易にマーケティングメッセージを発したり、そもそもグラフェンは入った無いのに、黒い顔料を入れることで「グラフェンコーティングだ!」と主張するようなメーカーもあります。
海外のYoutubeで面白い実験をされた方がいます。市販のグラフェンコーティングとセラミックコーティング、ポリマーコーティングでどれが良いかを実験した動画です。
結論としては、なんとあらゆる試験結果においてポリマーコーティングが良いものでした。そしてその人が結論として言う言葉が何とも言い得て妙な気がしております。
すべての化学の進歩は、ブランドがテスト後にテストに研究開発を加えて、本当に素晴らしいものに微調整することをいとわなければ、まったく意味がありません。大変な仕事、誠実さ、そしてノウハウがグラフェン含有量ではなく、セラミック化学ではなく、誇張された主張ではない、新しくて驚くべきディテール製品を生み出すのです。
引用元:Car caft auto detailing
単にグラフェンだから良いものだ!そういうわけではなく、化学の進化を活かすも殺すも、それを開発する人や、実際に施工する人の経験や熱量によって、結論は変わるものだ、ということだと思います。
結局は人だということですね。
2.グラフェンコーティングの評判、おすすめ
グラフェンコーティングの評判は、先程説明したように、良いものもあれば悪いものもあるのが現状です。
なので一概にこれがおすすめということではないですが、ご興味ある方のために日本で容易に購入できるグラフェンコーティングをまとめましたので、ご確認ください。
商品 | 耐久性 | 価格 | 容量 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Adam’s Graphene Ceramic Spray Coating | 1年以上 | 11,000円 | 353ml | 施工しやすい、アメリカの洗車好きの方にとってメジャーなブランド。 |
Autofinesse Graphene | 6〜8ヶ月 | 13,200円 | 500ml | 使いやすく、濡れたような艶。イギリス発でビジュアルにも拘った製品 |
ARTDESHINE GRAPHENE DETAILER | 6,800円 | 300ml | お手軽施工、プロ専用の製品もラインナップとしてもつシンガポール発のブランド | |
Turtle Wax Graphene infused Flexwax | 約1年 | 8,190円 | 約680ml | |
303 graphene nano spray coating | 約1年 | 5,720円 | 473ml |
3.グラフェンコーティングの重ね塗りについて
グラフェンコーティングの重ね塗りに関しては、表面硬化後に施工がおすすめです。多くのメーカーでは、12時間空ければ重ね塗りは問題ないと思いますが、詳しくは取り扱い説明書のご確認をお願いします。また、層数による効果の違いでいうと、厳密には各メーカー毎にテストしないと一概には言えませんが、3層まですることで、発色や艶が良くなり、耐久性も良くなる傾向が多い印象です。
基本的にはグラフェンコーティングは重ね塗りをしたほうが良いでしょう。
車のコーティングを自分でされることを検討している方はこちらをご確認ください。
正確には車のコーティングは、5種類!
ここまでグラフェンコーティングの真相を説明してきましたが、改めて内容物や組成を踏まえ、コーティングの種類を5種類紹介していきたいと思います。
1.ワックス
ワックスには、天然ワックスと石油系ワックスの2種類があり、天然ワックスは、カルナバ蝋をメインとした天然由来の成分のみを配合したワックスになります。カルナバ蝋は、ヤシの葉の表面を覆う蝋で、大理石のような光沢を呈しつつも、非常に硬く、天然のワックス・エステルを主成分とする蝋の中では最も融点(個体が液体になり始める温度)が高い素材になります。一方で、石油系ワックスは、名前のとおり、カルナバのみならず石油系の溶剤を含むワックスになります。
ワックスは、塗れたようなコーティングでは表現できない艶ができるというと、金額が安価というのがメリットであり、一方で耐久性の低さや、施工しづらさがデメリットといえます。
2.ポリマーコーティング
ポリマーコーティングは、ケイ素化合物やシリコーンやフッ素などのポリマーを含むコーティングになります。ガラス系コーティングも、シリコーンなどを含むため、本来は分類的にガラス系コーティングはポリマーコーティングに分類されるべきだと思います。なにせ名前だけの問題だけで、組成の構造などは同じなので。硬化しないというのも1つの特徴といえます。メリットとしては、ガラスコーティングよりも安価。施工がしやすいということ。一方でデメリットは、耐久性や、ケミカル耐性がガラスコーティングやセラミックに比べ劣るということになります。
3.ガラスコーティング
ガラスコーティングはSiO2を主成分とするコーティングで硬化型のコーティングになります。
お店で施工される場合のメジャーメニューになっています。硬化するまでの時間は液剤毎に差がありますが、施工性はポリマーに比べると難しい傾向です。一方で、防汚性やケミカル耐性は向上し、耐久性も1年以上が多いです。
4.セラミックコーティング
セラミックコーティングは先程も説明したとおり、ガラスコーティングとの区分は非常に曖昧です。本来SiO2を主成分とし酸化物や炭化物などの無機化合物が含まれるものがセラミックコーティングとなります。
ただし、市販品のセラミックコーティングと称されるものの中には、耐久性半年で特に無機化合物が含まれてないものもありますので、機能的には一概にガラスコーティングより向上しているとは残念ながら言えません。よく耐久性はセラミック > ガラスコーティングのようなものをお見かけしますが、そうとも言い切れません。
概ね耐久性は1年以上が多く、防汚性やケミカル耐性、撥水などはガラスコーティング同等もしくは以上になっています。
5.グラフェンコーティング
大きな区分でいうと、ガラスコーティングと同じでSiO2を主成分とするコーティングですが、蜂の巣状のになっている世界最硬物質である”グラフェン”という炭素シートを含んでいる場合に、グラフェンコーティングに区分されます。
メリットは、一概に区分では現状言えません。つまり、「セラミックより〜の観点が優れている」とか、「ガラスコーティングより〜」など、一般化しては言えないということです。機能上の優位性と言うより、グラフェンが含まれているかいないかで区分されているのが現状です。将来的に、グラフェンの実用化が一般化しそうなる日も来るかもしれませんが、まだわかりません。
番外編
また最近ですと、グラフェンだけでなく、次世代材料であるナノカーボンのうちの1つである、カーボンナノチューブを活用したコーティングも水面下で動き出しています。今後、注目ですね。
結局どのコーティングの種類がおすすめなのか
結論、これがおすすめのコーティングの種類です!とは言えないです。お客さんの保管環境が完全屋内で、使用頻度も全くなくDIY好きなら、もしかしたらワックスがよいかもしれません。
ただ一般的な傾向として効率よく最大限の耐久性、撥水性を誇るコーティングはどれかと言われると、ガラス系コーティング(ポリマーコーティング)を除く、ガラスコーティング、セラミック、グラフェンのいづれかでしょう。その中でどれかは、迷いますよね。
実際にDIYでコーティングをされる方で、最強のコーティングはどれか?426名の方にアンケートを取りました。結果はこちらになりますのでよろしければ御覧ください。
またプロも使うコーティングで一般の方がDIYで買えるものもありますのでこちらの記事を御覧ください。
他の人にコーティングをお願いする場合に、種類以外に重要なこと
自分でやるわけではなく、お店に施工をお願いしようとしてる方はどのコーティングの種類にすべきか悩みますよね。
ただし、コーティングは種類ももちろん重要ですが、お客さんの信念にあったお店選びが重要です。ディーラー、キーパー、専門店、カー用品店と現在様々なところで施工ができます。金額や、スタッフの質、コーティングブース有無など、お店毎で全く異なります。こちらのページで新車でコーティングをやる場合のお店毎の特徴を解説してますのでよろしければ御覧ください。
まとめ
以上、分かりにくい車のコーティングの種類とそれぞれの特徴について解説してきました。
コーティングメーカーとしては、独自の区分を作ってあたかもそれがこれまでとは違い、革新的で違う種類になる!ということをしたいんだと思いますが、具体的な基準がないために何でもオッケーになりつつある状況です。。。そのため、種類で判断はできないので、信頼できるソースの口コミや実際の検証を通して、製品判断していくことが重要と言えるでしょう。
海外参考サイト
The difference between nano coating,Glass coating and Ceramic coating
LIQUID ARMOUR: GLASS VS GRAPHENE VS CERAMIC COATING — WHICH IS BEST?
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