・ポリシラザンが含まれるコーティングしか本物じゃないの?
・購入するコーティング剤は失敗したくない。けど色んな情報があってよくわからない。結局どれが本物なの?
車のガラスコーティングってどれが良いコーティングなんでしょうか?値段が高いやつ?海外製品?ガラス瓶に入ってるやつ?
色んな疑問があるかと思います。
本記事では、本物のガラスコーティングとは何なのか?製品を使用した経験をふまえ、その出会い方、見極め方について解説していきます。
本物のガラスコーティングとは?
ポリシラザンのコーティングが本物というのは嘘。
石英ガラスに一番近い構造で、あらゆる機能、防汚性、撥水性、光沢性に優れるガラスコーティングは、ポリシラザンしかなくて、シロキサンは有機質を含むから劣化しやすく偽物のガラスコーティングだ!そんな話をきくことがあります。しかし、果たして本当にそうなんでしょうか。
ガラスコーティングとよばれるものは、大きく分けると①ポリシラザン系、②シロキサン系の2つに別れています。
過去から現在までの経緯をそれぞれ記載しています。本当にポリシラザンだけがよいのでしょうか。
1.ポリシラザン系
20年以上前からガラスコーティングとして使われてきたポリシラザン。
膜厚硬度は9Hと硬いが、硬いがゆえに割れやすいというデメリットがあります。また、無機質のため無機系の汚れに弱く、キシレンやターベンといった有機溶剤を使用するため、塗装へのダメージがあるということもデメリットでした。
一方で、耐紫外線、耐熱、耐ケミカル性に優れるという点もあるため、コーティングへのさらなる実用化にむけて研究が進んでいます。そして最近では、ポリシラザンの特性を活かしつつ、有機質にもなりうるハイブリット型のコーティングなども生まれ、施工性も向上し曲げにも強いコーティングが海外などで開発されてきています。
2.シロキサン系
ケイ素と酸素が結合し、有機基が結合した化合物のことをシロキサンと言います。ポリシラザンの耐紫外線、耐熱性、耐ケミカル性はそのままに、施工性も向上し、有機無機のハイブリッドコーティングで汚れがつきにくいコーティングとなったものもあります。一方で撥水性能が落ちやすいなどデメリットもあったが、最近では多くの研究が進められ、現在のガラスコーティングの中ではメジャーです。
つまり、ポリシラザンよりシロキサンが必ずしも悪いというわけではなく、最近ですとシロキサンはメジャーだし、むしろ使用感的にもシロキサンの方がよいんじゃないかとも思える事例もあります。なので、ポリシラザン、シロキサンという区分だけで判断は難しいと思います。
シロキサンでも実績のあるコーティングはたくさんあるし、最近はシロキサンがメジャー?
最近ではシロキサンを活用したコーティングが多いかと思います。海外の名だたるメーカーでもシロキサンによるガラスコーティングが多いです。いくつか例を上げたいと思います。どちらもインターネット上で普通にダウンロードできる資料です。
IGLはマレーシア発の企業で世界50カ国以上の国で使われているメーカです。また、Gtechniqは2001年にイギリスで創業し、3,000店以上の認定施工店を擁する世界的な企業になります。
このように、ガラス瓶を使用したガラスコーティングも、世界中ではシロキサンが使われています。
世界の名だたるメーカーでも使用されていることから、一概に区分だけで良し悪しを判断できないことはご理解いただけたと思います。
耐久性に優れるコーティングが本物?
説明したきたように、化学の進化とともにやみくもにポリシラザンがよい!とかシロキサンはダメ!という状態ではなくなってきています。また、耐久性が良いけど、価格が高いコーティング剤が本物かというとそう考える人もいれば、そうでない人もいます。
ものの良し悪しを判断しづらくなってきているのに加え、価格/光沢/耐久性/撥水の強さなど、コーティングに求める価値観も多様化してきてきています。
なので、最終的には人それぞれ選択肢は変わるでしょう。
ただし、趣味性の高い価値観というよりも、効率よくキレイな状態を求める方が多数派ではないかと感じます。
そこで、DIYでコーティングされたことある426名に最強のコーティングはどれか?アンケートをとってみました。アンケート結果はこちらです。
スプレー型ガラスコーティングで含まれる”本物”になるための成分
日本でDIYでコーティングされる方にとってメジャーなコーティングは、ガラス瓶に入ってるタイプではなくスプレー型の簡易コーティングではなないでしょうか?
この章ではスプレーコーティングに着目したいと思います。
そんな簡易コーティングですが、耐久性の優れるものとそうではないものもあります。
様々な文献をみたり、実際に使用した感覚をもとに、一つ見極め方があることがわかりましたので説明していきます。
(個人的な調査も含むため、最終的にはご自身の判断でお願いします。)
成分を確認する。方法はパッケージ、もしくは安全データシート(SDS)
方法は、成分を確認するということです。
コーティング剤の成分は、パッケージに記載されているものが多いですが、特に詳細なものは、安全データシート(SDS)と呼ばれるものに記載があります。SDSとは簡単に申し上げると化学物質や化学物質を含む混合物を安全に取り扱うために危険性や有害性、取り扱い方法を説明する書類になります。
基本的に努力表示義務としてあり、サイト上に添付されていたり、メーカー問い合わせでもらえる書類になります(海外はサイト掲載が多く、日本だともらえるところが少ない印象。。問い合わせても連絡なし、ということもありました。)
効果のよいコーティングは、シリコーンレジン、シロキサンが含まれていた
海外の製品や日本の製品など、パッケージやSDSをみて特徴分析したところ、耐久性が高いものには傾向があり、「シリコーンレジン」が含まれていました。一方で耐久性が低いと感じたものは、シリコーンオイルが含まれてました。
シリコーンレジンとシリコーンオイルには構造的になにか違いがあるのか確認してみました。
なぜシリコーンオイルよりシリコーンレジンの方が高性能なのか?
シリコーンオイルやシリコーンゴムが線状ポリマーから成り立っているのに対し、分岐度の高い三次元ポリマーからなるものがシリコーンレジンとよばれるようです。
信越化学工業のサイトによると、シリコーンレジンは、三次元という密の構造により、「シリコーンの中でも特に優れた耐候性、耐熱性を有する」とあります。
またこちらのサイトでは、シリコーンレジンとシリコーンオイルを比較しており、シリコーンレジンの方が化学的、機械的にも強度が高く、原料や製造コストが高いこともわかります。
実際に、SDSやパッケージをみると販売開始とともにすぐに売り切れるkamikaze collectionさんのOver coat5.0は、特殊シリコーンレジンを使用してますし、ながら洗車さんのプラズマコーティングαも下記のようにパッケージに、特殊シリコーンレジンと記載がありました。
メーカーの中には、「シリコーン」や「シリコーン系樹脂」だけで、シリコーンの中でどの区分かわからないものも多くありました。ただ、シリコーンレジンの方がシリコーンオイルより高価かつ高性能と考えると、シリコーンレジンを使っているならシリコーンレジンと記載したくなるはずなので、書かないのは、、そういうことなんではないかと。。
ちなみに最近話題のリンレイさんの「ウルトラハードWコーティング」には、パッケージに「シリコーンオイル」と記載がありました。
まとめ
効果のある本物のコーティングとはどういうものか、成分分析含めて解説してきました。
ポリシラザンだけが本物ではないということもご理解いただけたと思います。
成分がわかっても結局どのような構造になり、調合されるかで全く違うものができる化学の世界。最終的には試してみないと分かりませんが、少しでも良い出会いのできるコーティングに合うために、成分をみてみようとご興味いただけたら嬉しいです。
コメント
コメント一覧 (1件)
[…] © 車のコーティングをもっと身近に. […]