親水コーティングは意味ない!と思う理由

親水コーティングは意味ない!と思う理由

青空駐車だから親水コーティングの方がシミが付きづらくて良いらしいんだけど本当?

洗車をあまりしない人は親水コーティングの方がキレイを保てるらしい!

まことしやかに言われる水弾きの違いによる効能。

実際のところ、私は親水コーティングは意味ない!と思う派です。

親水でもシミは普通にできるし、海外メーカーで親水を取り扱っているところはほぼ無いと思います。

日本だけが、なんとなく親水コーティングを推奨する方が残っている状況です。

なぜ私は親水コーティングが意味ない!と思うのか理由を説明しつつ、水弾きよりコーティングの性能評価で重要なポイントがあるので、そちらも紹介していきたいと思います。

是非、これまでのお考えを一旦リセットいただき、まっさらな状態でお聞きいただけると幸いです。

目次

親水、撥水、疎水のコーティングの比較

水弾きには3種類あり、親水、撥水、疎水それぞれにメリットデメリットがあるため、お車の環境、お色、洗車頻度などに合わせて、選択すべき!という方が多数派ではないでしょうか?

私自身の見解としては、水弾きで性能評価するというより、あくまで好みの問題かと思っています。

下記が水弾き別の比較表になります。

スクロールできます
親水撥水疎水
水弾きの角度30〜40度程度90度以上親水と撥水の中間
水弾きによる感性の刺激低い高い
汚れにくさシミは付く。泥砂汚れが大きな輪っか状のシミとして残り、車の色によっては目立つ。シミは付く。撥水が弱いと、点ジミが残る。特に花粉の季節。強撥水(110〜120度)を維持できると、シミはつきにくい傾向。シミは付く。
メンテナンスのしやすさしにくい。コーティングが効いているのか効いてないのか判断しにくい。しやすい。撥水基の摩耗が目でみてわかるので、メンテのタイミングがわかる。しやすい。撥水基の摩耗が目でみてわかるので、メンテのタイミングがわかる。
洗車時の拭き上げのしやすさ
製品数少ない多い
ケミカル耐性液剤次第液剤次第液剤次第
水弾きのタイプによる比較

つまり、水弾きによって、シミの付きやすさは抜群に親水が良いと言うわけではないし、むしろルーフなどパネルの角度がない部分では泥砂汚れによる大きな輪染みの輪郭が撥水に比べ残りやすいという傾向もあります。

汚れのつきにくさという観点でいうと、水弾きでは本来なく、滑落角の低さの方が重要です。つまり、塗装のパネルの角度が低くても(=滑落角が低い)、水滴が落ちれば汚れは残留しにくいということです。

また、水弾きの角度と、滑落角度は相関しません。詳しくはこちらをご覧ください。

ですので、あくまで水弾きは、好みの問題であるといえるでしょう。

親水コーティングは意味ない!と思う理由

ここからは、私自身が親水コーティングが意味ないと思う理由を詳しく解説していきたいと思います。

理由は5つあります。

1.親水コーティングでもシミがつく。青空駐車の方は親水コーティングがおすすめは嘘

親水コーティングを好む方は、親水状態を維持できれば、塗装の上に水が残らず、シミができない!という理屈かと思います。

確かに車をシャワーで流すと、親水状態が見れると思いますが、自然環境である雨が振っている状況で、親水状態になっていますでしょうか?パネルの角度がないルーフとかは、むしろ親水ではなく、大きな水滴で弱い撥水状態のようになってないでしょうか?

親水コーティング後、ルーフ部分に残った水滴

シャワーで流すと親水には見えても、実際雨が降ると弱撥水に見え、角度のないルーフなどは水が残ったりして、シミになることもあります。

また、仮に大雨時に親水状態ができても、油分など汚れが累積すると、親水状態を維持することは難しく、結局洗車は必要になります(洗車回数を撥水に比べ少なくしてよいということは考えにくいです。)

下記のようなコメントをされている方もいます。

2.親水コーティングは泥砂汚れが目立つこともある

空気中の汚れを含んだ雨水が、駐車している車の上に振ってきている状況をご想像ください。

ルーフなど角度のない部分に振ってくる雨は、仮にルーフを親水のコーティングをしていたとしても、弱撥水として大きな汚れている水滴が残ります。そして、仮に強撥水のコーティングをしていた場合と比べると、親水コーティングの方が水が残るのは想像に難くないと思います。

その水滴が乾くことで、大きな輪っかジミができて茶系の色で、白い車などでは特に汚れが目立ってしまいます。

親水コーティング後にできた輪っか状のシミ汚れ

3.親水コーティングはメンテナンスしにくい。効いてるかが判断しにくい

親水コーティングが効いているのか、効いていないのかの判断はどうするのでしょうか?撥水コーティングであれば、撥水基の弱まりをもって、メンテナンスのタイミングがわかるのですが、親水コーティングはそもそもコーティングが効いているのか目で観て判断しにくい水弾きのため、メンテナンスのタイミングが分かりにくいです。

また、仮にシミが付いてケミカルでシミを落とす際に、コーティング被膜が剥がれて親水状態になっているのか、コーティング効果による親水なのかも判断がつきにくいでしょう

つまり、コーティングの評価が、撥水に比べ明らかにわかりにくく、判別しにくいコーティングのタイプと言えるでしょう。

4.海外では親水コーティングは存在しない?

ではここまで、色々説明してきましたが、人気がある商品であれば、親水コーティングの開発も進み、様々な製品が夜に登場してきているはずです。

日本と海外の製品を調べてみました。

まずは、日本です。Amazonで過去30日間に取り扱い開始された製品を調べてみました。

親水撥水疎水
過去30日間にamazonで発売開始されたボディー用コーティング剤0126
親水コーティングは発売されていない

日本で親水コーティングを発売されるケースも減ってきている印象です。

次に海外のコーティング剤として人気のあるブランドをいくつか調査してみました。

  • Adamspolishes・・撥水のみ
  • Autofinesse・・撥水と疎水のみ
  • Gyeon・・撥水と疎水のみ
  • Carpro・・撥水と疎水のみ
  • Gtechniq・・撥水と疎水のみ

クイックディティーラーなどのスプレーコーティングの中には、疎水を取り扱うメーカーもありましたが、硬化系のコーティングは基本撥水のみでした。

やはり日本も親水コーティングは減っていますが、海外では撥水&疎水コーティングが変わらずメインのコーティングと言えるでしょう。弾きによる、シミの付き方どうこうより、コーティングしたことによる、撥水や疎水の弾き方という視覚的な興奮をより海外は重視しているのではないでしょうか。

5.キーパーの親水コーティング「アクアキーパー」も終売

日本で最大のコーティング&洗車専門店であるKeePer技研でも、昔は、「アクアキーパー」という親水コーティングを取り扱っていましたが、終売したようです。

理由としては、水シミの固着のしにくさで、親水コーティングにメリットがあったが、ガラス被膜の上に乗せるトップコート、レジン被膜がシミの固着を防ぐことができるようになったため、のようです。KeePerとしては、シミ固着のメリットを感じつつも、昨今の撥水コーティングの被膜の進化により、シミ固着しにくい撥水皮膜があるのであれば撥水という顧客が求める感動を大切にすべく、親水コーティングにメリットを感じなくなったというところでしょうか。確かに最近では、有機無機のハイブリッド型のコーティングで、撥水でありつつもシミが固着しにくいコーティングも増えてきています。あえて親水を選ぶ必要は本当になくなってきていると思います。

水弾きよりも、コーティングの液剤性能を決める重要な要素

これまで説明してきましたが、親水という水の弾き方による機能的な優位性はないと言えるでしょう。

ただ、なんといっても親水の方が青空駐車、濃色車には安心感があると感じられるのであれば、それで良いと思います。

水の弾き方はあくまでも好みになるかと思います。

一方で、水弾きよりも、コーティングの液剤に求める重要な性能は、「シミができた後のリカバリー」です。

つまり、シミができても、適切なケミカルを使い、簡単に落とせることができるのか、そしてケミカルを使ってもコーティングの被膜はビクともしないのか、が重要だと思っています。

コーティングの液剤によっては、酸性ケミカルでシミが落とせても、シミと一緒にコーティング被膜が落ちてしまうものもあります。それでは理想的なコーティング液剤とは言えないと思います。

欲を言えば、そもそもシミができづらいコーティングである方が良いですが、現状それはかなり詳細な検証によってしか見定められないので、簡単にはわかりません。

まとめ

以上、親水コーティングが意味ない!と思う理由や、水弾き以上にコーティング液剤に求める性能について説明してきました。

コーティングをしたことによる求める機能、感覚的な価値は、極論言えば人それぞれです。凄いツルツルの手触りを求める方もいれば、傷が見えにくくなる効果や、色艶光沢を求める方もいます。

水弾きというのは、どちらかというと、機能面というより、個人的には感覚的な価値に属するものだと現状は思っています。今後のさらなるコーティング液剤の進化が楽しみですね。

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